好きなところ 3
虫好きのお殿様の残した写生帖が今、貴重な江戸時代の博物学の文献として評価されている。
また、細川家に残っている手紙を見ても、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、高山右近ら戦国の武将たち、春日局、細川家の姫、夫人たちの書き綴ったものなど、その歴史に圧倒される。
二代忠興の夫人で、明智光秀の娘たまは、波乱の戦国の世をキリシタンとして生き抜いた女性、細川ガラシャとして有名だが、ガラシャの手紙は十八通現存していると言われ、その内四通が、永青文庫に保存されている。
四百年近い昔、戦乱の世にもまれ、三十八歳で自害して果てた女性の筆跡を目の当たりにするのは、やはり感慨深い。
永青文庫は、旧細川侯爵家の家政所(事務所)として一九三四年に建てられている。