好きな場所 3
しかし返り咲いた華宵熱が高まる中で、華宵は没した。七十八歳であった。
一歩入ると、見る人をたちまち少年少女の昔にひき戻してしまうさし絵の展示室は、蕗谷虹児、加藤まさを、中原淳一など、大正から昭和にかけて一世を風靡したさし絵画家の原画を公開している。
またコレクションはさし絵だけにとどまらず、当時の雑誌やポスター、手紙、日常文書と多様。
「さし絵を含むこれらのコレクションは収蔵量が問題なのではなく、当時の風俗を知る上で価値あるもの。
この美術館はいわば風俗の資料館のような役割」と学芸員さんは語っている。